夏至の頃 YOKOHAMA



久々にblogへと写真をアップして見た。

3月に石垣島の旅の写真をアップして以来、少し今までと違った方向へと労力を注いでいた。
ここ5ヶ月、かなり集中してモノクロプリントを仕上げて行くノウハウを研究し続けて見た。
M Monochromで撮影→Photoshopを通してイメージに近いトーンへ調整→インクジェットプリンタで出力。
このワークフローの試行錯誤を繰り返し、自分自身の基準値となるものを手探りで探し続けた。(そして今も探し続けている。)

一番上流部にある「M Monochromで撮影」は至ってシンプルで良い。
レンズもSUMMICRON 35mm F2 & 50mm F2の2本しかなく、カメラ内の設定パラメーターもそう多くはない。
特にモノクローム撮影がシンプルで良いなと感じるポイントは、ホワイトバランスでアレヤコレヤと悩んだり、試行錯誤の必要がないところである。
基本的にM Monochromカメラ内の画像処理エンジンが描き出すJPEG画像をベースに、そこから川下の作業を進めることとなる。

次にPhotoshopでイメージに近いトーンへ調整して行く。
こちらも基本的に凝ったことはせず、レベル補正レイヤーでまず調整し、トーンカーブレイヤーで仕上げ行く。
また、調整レイヤーを数層挟んで「焼き込み」「覆い焼き」を施して行く。
経験則的に、直感で施した各パラメーター調整量を10とすると、後から2割引ほど戻してあげたほうがナチュラルな感じに仕上がるようだ。

一番川下のインクジェットプリンタで出力のプロセスが一番難しく、試行錯誤を繰り返すことになると実感している。
モノクロームの写真データを使い、プリンタ設定を「モノクロ写真」にしても、すぐに美しいモノクロプリントを手にすることはできない。ケースによって赤味がかったり、緑味がかったり、青味がかったりと、見事な「色かぶり」が生じることが多い。また、その「色かぶり」の傾向は、使用する用紙のテクスチャ感・白色度・光沢感によっても変化する。
常用のプリンタ用紙「GEKKO ブルー・ラベル」に統一し、試行錯誤しながらプリンタ設定項目の「色かぶり調整」のベストな値に近くて行く他ない。
出力されたプリントを評価しながら、1つ前のPhotoshopプロセスに戻りレイヤーごとに調整し直したり、プリンタの色かぶり調整を施しながら、自分が描くイメージに徐々に近づけて行く。

この5ヶ月でインクと印画紙を随分浪費したが、以前よりずっと容易にイメージに近いモノクロームプリントを描き出すことができるようにはなってきた。
Web、SNS、写真共有サイトでの写真共有は容易ではあるが、質感・存在感ある「プリント」をうまく共有して楽しむ遊び方はないだろうか?と色々思案しているところである。
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CAMERA: Leica M Monochrome type 246 LENS: SUMMICRON 50mm F2
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旅するカメラ PART3



今回の石垣島の旅。2月は不安定な天候が多い地方ではあるが、3日間とも晴天により祝福された旅であった。

太陽と風と雲の流れが導くまま、終日気ままに島を巡り、また感じるところがある場所と風景に出会えば足を止めしばし時を忘れ過ごした。この自然な流れを、カメラとレンズが邪魔をしない、重荷にならない、そのことが「吟遊写真道」において大切にしたいポイントである。非日常的な色彩に惑わされず、旅のエキセントリックさに目を回さず、旅以上のものを持ち帰ろうとする写真の強欲にも溺れず、ただ「懐かしく心洗われる光と陰の記憶」をそのまま持ち帰ってくることができた気がする。

自らの眼に写る風景と視線を探してただ彷徨っていて22年前の石垣島の旅、44歳になり今ようやくその旅を終えることができた。
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CAMERA: Leica M Monochrome type 246 LENS: SUMMICRON 35mm F2
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旅するカメラ PART2



Leicaというカメラとレンズは半ば神話化され、また独特の世界観があるかのように語られている。
一方、実際私自身が使い込んで感じた率直な印象は、「素朴で、シンプルで、ストレートな写真が普通に撮れるカメラ」であるということができる。

まず一つめにはSummicronレンズの特徴である。このレンズは強い個性や独特の演出力があるわけでなく、見方によっては拍子抜けするほど「普通」に写る。かえってMADE IN JAPANメーカーのレンズの方が個性が強く、レンズ固有の演出がかけられた画を描き出すことであろう。Summicronレンズの「普通」というのは、「見た目そのまま」とも「味気ない」ともニュアンスが違う。レンズ的、写真的演出が少ない分、撮り手のアティテュードが透けて見えてしまうほど「普通」なレンズ、と例える方が的確かもしれない。

二つめには、Leica M monochromというカメラのシンプルさにある。カラー情報を持たず、「ただの素通しガラス」が貼られた「大まかな構図」が確認できるだけのファインダーがあり、あらかじめ設定できるパラメーターもメカによるアシストも極端に少ない、そんなカメラだ。色彩や操作、設定によって演出できる要素が格段少なく、撮る前にこだわってこねくり回して作り込める要素も格段少ないため、考え込むことや躊躇うことなくサクサクとシャッターを切ることができる。

そんなカメラとレンズの性質から、Leica M Monochromを使い込むほどに、広い意味で奇をてらわなくなり(奇をてらってもしょうがなくなり)、肩の力を抜いた、素朴・ストレート・シンプルに写真を撮るようになって来た。言い換えれば、自ら描くイメージに気負わず、事物があらかじめ持つ意味に迷うことなく、透き通った心でイメージを写し出すカメラとレンズである。
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CAMERA: Leica M Monochrome type 246 LENS: SUMMICRON 35mm F2
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旅するカメラ PART1



「旅の写真」というのは、思いの外難しい。難しいというより、力の入れどころ、抜きどころの加減が難しいのであろう。
訪れたこともない場所に逞しいイメージを巡らせあらかじめ画を描いてしまう、その期待したもの以外見えづらくなる。
ファインダーに写し出されるレンズを通して「演出された像」は、目の前の風景を作り変えてしまおうという誘惑を引き起こす。そして、何より撮りたいという熱意や撮る楽しみという意思の方が主人となり、本来気ままに楽しむはずの旅が「カメラと写真の従者」となってしまう。

私が提唱する「吟遊写真道」は、アマチュア写真家が自ら陥りやすい「この罠」から自由になり、自らの「楽しい」「心地よい」「好き」「心洗われる」「懐かしい」そんな瞬間と場所を軽やかな気負わない気持ちでスナップショットをする、そんなスタイルのことである。

Leica M monochromとSummicronレンズを使い続けて1年、そのカメラとレンズは「吟遊写真道」にぴったりの機材チョイスではないかという手応えを今回の石垣島への旅の中で強く感じた。
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瑞泉寺 鎌倉・Zuisenji-Temple, Kamakura, JAPAN



瑞泉寺 鎌倉・Zuisenji-Temple, Kamakura, JAPAN February 2017
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途切れることのない川の流れのように過ぎて行く愛おしい時間と季節、光と影の記憶を、モノクロームへと昇華させここに紡いで行きたい。

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