五島列島 巡礼の旅 PART3



3日間で12つの教会を訪れることとなった。
近年、世界遺産登録への機運も高まり、五島の島々が各メディアで紹介されるのを目にするようになったが、訪れた教会の聖堂には私以外の人の気配はなく、聖堂内の凜とした静けさに心が満たされていく中、沈黙の祈りを捧げ続けた。

ある教会では、大きな木彫のイエス・キリストが十字架に架けられ、祭壇の中央に祀られていた。
彩色もされていない、木目や木の色がむき出しの木彫像であるが、全てのものを背負いすぎて疲れ果てたなれの果て、掌や足首に杭を打ち込まれた痛み、十字架に架けられ命が枯れて行く様、その姿を衆人環視に晒され続ける辱め、それら全てが見事なまでに造形として掘り上げられていた。その木彫は、最後のわずかな力で微かな呼吸をしているようにも感じられ、全身に鳥肌が立つのを感じた。
一方、祭壇の脇には聖母マリアに抱かれた赤子のイエス・キリストが佇み、教会を取り囲むようにイエス・キリスト受難の物語が描い連なっている。
そこには、人の誕生から背負わされる運命、苦悩、罪や過ち、枯れゆく命の受け入れるまでの物語が克明に描き出されていた。

また、沈黙の信仰という厳しく長い歴史を経て、やっと教会を建設することができたこの島々ならではの歴史に由来するのか、人々の拠りどころ、寛ぎや安心を与えてくれる場所、同じキリスト教信者たちとの団らんや共存の場所、そういった「守ってくれる場所」としての雰囲気、穏やかで優しい包容力を感じる教会も少なくない。
教会の素晴らしい外観、淡く柔らかに彩色された内装、意匠を凝らした柱や梁、美しい佇まいの像や絵画、そして人の心を鮮やかに照らしあげるステンドグラスなど、教会や聖堂には美しく、優雅で、穏やかなモチーフと色に溢れ、それらは人の心を楽しませ、癒し、和ませてもくれる。
そして絶海の島々ゆえか、「教会・聖堂」と「取り囲む自然」との距離が限りなく近い。静寂と沈黙に支配された聖堂に身を置くと、潮騒を運ぶ風、その風に揺らされる樹々の音、晩夏を盛りに鳴く蝉の声、屋根から森へと行ったり来たりする鳥の声、そんな感覚が研ぎ澄まされ、私と自然との距離がグッと近くなることを実感させられる。

祈るということは、それは単なる自分自身への祈願、近しい人の幸せを願う想いだけではない。
上の記した2つの大きな印象、それを肌で感じ取り、祈ることとは何であるのか?自分自身の中でゆっくりと昇華させて行った。
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goto-color10.jpg↑カトリック堂崎教会
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goto-color12.jpg↑カトリック中ノ浦教会
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goto-color14.jpg↑カトリック土井ノ浦教会
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